匿名さんのお宅(一戸建て)
玄関周りのシロアリ危険度
築年数が高い日本家屋はそのほとんどが玄関周りに木材を使用しています。
新築時はニスや漆でコーティングしてあった木材も年数が経過する事によって表面の木が外の空気に晒され、湿気が入り込み、劣化・腐敗等を引き起こし、結果シロアリが入り込みやすい環境が整ってしまうのです。
当ページでは玄関周りに出てしまったお宅の事例と対策についてご紹介したいと思います。
静岡県・匿名さんのお宅(玄関周りに出た事例)
祖父の代から受け継いだ築60年になる平屋に暮らしております。
ここ数年で玄関周りが軋むようになりましたが、「古いから仕方がないか…」とあまり気にはしておりませんでした。
先日玄関周りを掃除していたところ、羽のようなものが大量に落ちている事に気づきました。
庭から虫が入ってしまったのかとも考えたのですが、尋常ではない数であったため、玄関の物を片付け、隅々まで良く確認してみたところ、羽の中に生きているアリのような姿を目にし、やっとシロアリという事に気づきました。
殺虫剤で対応しておりましたが、一向に羽が落ちている現象が収まらないため、駆除業者さんに依頼を行いました。
・築年数が高い
・日本家屋の玄関周り
この2つはシロアリが好む条件を満たしており、放っておくとあっという間に家全体に広がる可能性があります。
特に6月~7月に掛けては湿気も籠りやすい場所になり、注意が必要です。
羽が落ちていた事で初めて被害に気付くことも珍しくなく、「発見し辛いエリア」と言っても良いかもしれません。
玄関のシロアリ駆除
玄関が軋むという事でしたが、木材の内部に食害が起こった事が影響していると予想されます。
表面を特別な器具で打診検査した所、数か所はかなり深いところまで食害が進行していました。
さらに、玄関横に使用されている木材にまで進行が広がっており、見た目以上に自体は深刻であった事が分かります。
腐った木材全てを取り外し、新たな木材を使用してリフォームした後、専用の薬剤にて防虫加工を施し、駆除完了となりました。
玄関周りのシロアリ対策
毎日開け閉めを行う玄関周りでは、都度雨や風が入り込むため、シロアリの好む“湿気”が非常に高いです。
また、下駄箱や傘置き等は水気が溜まりやすく、玄関のコンクリートや木材を侵食し腐らせやすくしてしまう危険性をはらんでいます。
小まめに換気するのはもちろんの事、木材の表面が剥がれてきてしまったり、タイルが欠けてしまったりしてきたらすぐに塗り替える又は取り換える・補修する等の対策を行うよう心掛けましょう。
“羽”があったら危険信号
シロアリには「カースト」と呼ばれる階級があり、成長するにつれて体系に様々な変化をもたらします。
一部のシロアリは卵から若幼虫→老幼虫→ニンフ→有翅虫(羽蟻)と成長と共に変態を遂げますが、この段階まで成長しているシロアリがいるという事はそれだけコロニー形成が進行している事態を意味するのです。
ここまで進行した段階であれば床が軋む、腐食が見られる、羽が落ちている等の症状が現れると予想されますので、これらが見られた場合にはすぐに対策を行う必要があるでしょう。
シロアリ繁殖後も市販の殺虫剤で対応は可能か?
結論から言うと、難しいでしょう。
理由は、殺虫剤の届かない場所にまで食害が広がっていると予想されるためです。
特殊な器材を使用し、木材又はコンクリートの奥まで薬剤を散布する方法を執る必要があり、市販の殺虫剤ですと届かない可能性があるという点と、使用量も多くなるためコストパフォーマンスがイマイチというデメリットが挙げられ、オススメ出来ません。
業者に依頼をしても1万円以下で抑えられるケースもありますので、無料見積り等を有効的に活用してみると良いでしょう。