シロアリ駆除と保険
そんな身近な危険であるシロアリ被害には、保険や保証があるのでしょうか?
シロアリの怖いところは自然災害と同様にいつ発生するか分からない点です。
現在、被害が発生しているかを確認する方法も限られているので、もしかしたら自然災害よりも厄介かもしれません。
もしもの時のために慌てないためにもシロアリに関わる保険や保証について学んでおきましょう。
「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖」
ということわざにならい、シロアリ被害が出る前の対策を紹介します。
シロアリ被害の保険について
シロアリ被害の保険は一部の業者が行っているもので、被害が出た際に駆除費用や修繕費用を保証するものです。
仕組みとしては業者が損害保険会社に保険料を支払い、シロアリ被害が出た場合に費用を負担する内容になっています。
ただし、工事内容によっては保険が適応できないケースがあるなど、充実した保険では無いので注意が必要です。
シロアリ保険は業者によって金額がバラバラで、保証額が○○万円までといったように上限を定めている保険もあるので、事前にしっかりと確認してから加入を行いましょう。
なお、火災保険で代用できるのではないかと思うかもしれませんが、シロアリのような虫害はほとんどが火災保険の適応外になります。
雨漏りが原因で、それによってシロアリが住み着いて台風などで建物に被害が出れば適応されるケースもあるようですが、一般的には適用されない事が多いようです。
シロアリ被害の保証について
シロアリ被害の保証ですが、業者ごとに様々なサービスが提供されています。
最も多い保証は、建物を新築した際に利用出来る5年間の保証サービスです。
これは築5年までにシロアリ等の害虫によって家屋がダメージを受け、修繕が必要になった際にその費用を負担するというもので、新築物件を購入した方や建てた方のほとんどが加入されていると思われます。
また、業者へシロアリ駆除や対策を依頼した際に、ほとんどの業者が5年保証という制度を設けています。
これは5年以内にシロアリが再発したら無料で駆除を行うという、期間限定の保険と捉えて頂いて差し支えありません。年1回の無料点検が付いているケースもあるので、シロアリ対策としては非常に心強い保証と言えます。
逆にこのようなサービスを設けていない業者はその場限りのいい加減な点検のみを行い、費用を搾取している可能性もありますので、注意が必要です。
保証のほとんどは「5年」
シロアリ対策の有効期間は5年間とされているため、5年間隔で調査をしてもらえばかなりの確率で被害を免れます。
また、こうした業者への依頼は任意なので、新築購入や中古物件購入の際にシロアリ調査を依頼することも可能です。
購入した建物がシロアリでボロボロになっていたというケースもあるので、事前のチェックが非常に大切だと言えます。
日本国内で使用できるシロアリ駆除の薬剤の効果は、最長でも5年と言われていますので、シロアリが出ていなかったとしても、5年毎に定期健診を行うことが望ましいでしょう。
シロアリ被害の損害賠償について
例えば、借家に住んでいて、自分の家具や衣類がシロアリ被害に遭ってしまった場合、その責任は誰にあるのでしょうか。
この場合、責任は家の持ち主である「貸主(大家さん)」にある可能性が高いと考えられ、要件が整っていれば被害にあった分を請求する事ができます。
これを「損害賠償請求」と言います。
損害賠償請求「される」恐れも
上記のケースでは家を借りている側での想定ですが、貴方が「貸主」であった場合はどうでしょうか。
シロアリ被害によって、入居者からの損害賠償されるリスクという可能性も視野に入れなければなりませんし、また、マイホームにシロアリが出てしまい、それが隣の家屋にまで被害が及んでしまった場合はどうでしょうか。
この場合、過失があると認定されてしまうと損害賠償請求をされる恐れがあります。
シロアリは予期せぬリスクを運んでくる可能性があるのです。
証明は難しい
損害賠償請求を行うには、被害があった旨を被害者側が立証する必要がありますが、この証明は非常に難しく、裁判になれば弁護士等に介入してもらう必要があります。
話し合いできれいにまとまれば良いですが、なかなかうまく行かないのが現実です。
シロアリ被害に関係した損害賠償をするのは非常に困難だと思っておくようにしましょう。
自身でシロアリ対策を
賃貸であれば大家にシロアリ対策の有無を確認し、新築や中古物件の購入時には業者にシロアリ調査を行ってもらってください。
なるべく損害賠償という法的な手段にならないように準備しておくのが快適な生活のカギとなります。常日頃から自分自身でシロアリにアンテナを張り、対策を行っておくことが大切です。