シロアリの侵入経路
シロアリはどこから来て、建物のどこに侵入してくるのでしょうか?
日本で建物に被害を与えるシロアリは3種類おり、どの種類かによって侵入経路は変わります。
定期的に侵入経路となる場所を注意深く観察するだけでも、シロアリ被害の大きな予防になりますので、害を与えるシロアリの生態を予め確認することが建物の被害を最小限で抑えることに繋がるでしょう。
ここではシロアリの侵入経路について、種類別にじっくりと解説したいと思います。
土の中からの床下へ侵入
ヤマトシロアリとイエシロアリは土の中、つまり地面から侵入して来ます。
土の中に巨大な巣を持つシロアリで、常にエサとなるものを探して行動しているのです。
そんなシロアリに目を付けられやすいのが建物の床下です。床下は換気性が悪いため湿気でじめじめしていることが多く、建物の基礎となる木材などが露出しています。
そうした環境はシロアリにとって快適な場所となり、知らぬ間に定着していまい被害が拡大してしまうのです。
特に、ヤマトシロアリの場合は、地面から床下へ侵入して来るとそのまま床下を中心に繁殖して行きます。
湿気を含んだ木材を食い荒らして行き、徐々に床下から1階へと侵入してしまい、気が付いた時には柱・梁・壁等の中にまで拡大している事も決して珍しくはありません。
1階まで被害が及んでいるケースはかなり食害が進んでいる状態で、一刻も早く駆除する必要があります。
また、イエシロアリの場合もヤマトシロアリと同様に土の中から床下へ侵入してくるのが一般的ですが、イエシロアリは他のシロアリと比べて繁殖力が強く、屋根裏まで被害を進行させるのが早いという点に注意が必要です。
なお、ヤマトシロアリもイエシロアリも、蟻道という土で固めた細い道を作る点で共通しています。
蟻道は、目視でも確認できるので建物の外周や床下を定期的にチェックするようにしてみてください。
床下や押し入れ、屋根裏などに土で作られた蟻道があればシロアリ被害が発生している可能性があります。
羽アリによる侵入
ヤマトシロアリは4月から6月にかけて、羽アリが飛び立つ時期となります。
シロアリは繁殖期になると羽アリが誕生し、新しい住処を求めて羽ばたきます。
家の中で羽アリを見たら巣を作られていないか警戒しておいた方が良いでしょう。
特にアメリカカンザイシロアリは、土の中に巣を持たず群飛により移動を行うので、家の周りに糞や羽が落ちていた場合には注意が必要です。
羽アリが侵入する場所としては浴室や天井が多いですが、家の近くにある切り株や廃材、ダンボールなども対象となり、他にも、洗面台やトイレなどもシロアリのターゲットになる可能性があります。
日本国内のシロアリ被害の90%がヤマトシロアリなので、特に4月から6月の羽アリには特に注意しましょう。新しい巣を作られてしまうと非常に危険です。
その他の侵入経路
ヤマトシロアリもイエシロアリも、基本的には土の中から床下へと侵入して来ますが、家の構造や状況によっては他の侵入経路も考えられます。
自宅が該当しないか、予めチェックしてみましょう。
コンクリートの隙間
シロアリの全長は7ミリから13ミリ程度で、狭い隙間があれば侵入出来てしまうので、建物の土台となる基礎(コンクリート部分)にヒビが入っていたら、そこから床下へ侵入されることがあります。
また、厄介なことにシロアリは強靭な顎を持っているため、コンクリートに穴を開けることが可能であり、小さいヒビからどんどん穴を拡張され、耐震性の低下につながる恐れもあります。
天井からの侵入
シロアリと聞くと床下を真っ先に警戒すべきなのですが、アメリカカンザイシロアリの様に集団で飛来し巣を作るタイプのシロアリの場合、天井から侵入する場合があります。
床下だけでなく、基礎回りの通気口や壁、天井裏等も定期的に確認しましょう。
例外な侵入経路はいくつも存在しているので、床下には出ていないからと言って決して油断はしないようにしてください。